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TRU CALLING #1 〜 #13

2005年12月30日 00:20 | コメント (0) | トラックバック (0)

基本情報

20th Century Fox 公式ページ  アメリカ 20th Century Fox 製作による TV シリーズ。計らずも死体安置所で働く事になってしまった主人公トゥルー・デイビーズは、死を迎えたばかりの人の叫びが聞こえるという特別な力を持っていた。無念の死を迎えた人の強い想いが、彼女だけをその日の朝に巻き戻す。

 アメリカの TV シリーズは26話前後を基本とした「シーズン」という単位で区切られ、トータルはもちろん後半の視聴率によって、続編が製作されるか打ち切られるかが決まる。(ただし、非常に人気が高い場合はあらかじめ数シーズン先までの製作が決定する)
 そんな理由により、終盤付近はとにかく伏線張りまくり、ハッタリかましまくりの展開になった挙げ句、人気不振で続編が作られないという作品も多いが、この作品も残念ながらそのクチだったりする。

 一人タイムスリップする主人公が、死んでしまった人の運命を変えるために奮闘するというと、伊藤伸平著のはるかリフレイン を思い出す。
 余談の余談だが、はるかリフレインを読んで「この伊藤新平って人のマンガ面白い」と思ったとしても、同じ作者の楽勝!ハイパードール には手を出さない事をおすすめする。

#1 〜 #13 概観

巻き戻しの能力により知った結果からの推理をどう面白く見せるかがポイントだと思うが、残念ながらそこに「ほう」というアイディアがあったエピソードはあまり多くない。印象としては「ごく普通のサスペンスで、時々都合良く主人公がネタを知っている」といった感じで、むしろ緊張感が削がれている事の方が多かった。

 序盤から弟が殺人容疑で捕まったり、姉は現在進行形の麻薬中毒だったりとなかなか飛ばしている展開だが、#13 ではとうとうトゥルーの心に大きな影を落としている母親の死に関するエピソードが。
 ただ、これらをはじめキャッチーで客の目を引くネタ選びは上手いと思うものの、タイムスリップものとしてはいまひとつ。おすすめエピソードは #6・#11

# 1 ストレンジ・デイ

導入部は回想シーン。殺されたという母親の葬式で声を聞き「あの日に戻ってママを助けたい」とつぶやく主人公トゥルー。そこから場面は10年後に飛び、大学の卒業式当日、遅刻して「トゥルー・デイビーズ、トゥルー・デイビーズ?」と繰り返し名前を呼ばれるなか登場した彼女は一同に拍手で迎えられる。ベッタベタだな。

 はじめての能力発動。トゥルーが「巻き戻った」事を確かめようとして起こすリアクション(恋人に疑問をぶつける、テレビのロト当選番号を見る、初対面の人との会話の機先を制するなど)が、オーソドックスながらなかなか自然。
 自分だけが知っている事実をフル活用して、巻き戻った1日を何とか変えようと奮闘する様子は、スピード感や緊迫感があって良かった。全てがうまく行ったと思わせておいて、そこにはやはり見落としがあり結果は変わらなかった.....と思いきや結局全て丸く収まりました、とするのはさすがに第1話だからか。

 どんでん返し時「弾丸が体内に残ってたって言ってなかったっけ?」と一瞬思ったが、あそこはあくまで死体安置所なので「口から撃って首の後ろから弾丸が貫通した場合、外見上傷が1ヶ所しかないため、検死しないと後ろから撃たれて弾丸が体内に残っているように見える」という事なのだろう。

 主人公の基本設定と行動力、その特殊能力とこのドラマで制作者が見せようとしているもの。それらが綺麗に収まったエピソードだった。表面上うまく行っているように見えてトイレでコカインを吸っていた姉という伏線をしっかり張っておくあたりも巧い。

 それにしても、女性が自殺に使おうとした銃が、元恋人が「護身用に」と持って来たものってことは、彼は(そして、会社の重役っぽい彼も)疑われ損って事ね。
 

# 2 天職

タイムスリップを証明してみろと言う弟、大リーグの試合に交通事故、恋人の浮気と、巻き戻った時はどうするんだろうという小ネタがちりばめられた導入部。「せっかくのタイムスリップものだし」という一方、あまりにあからさまって感も。

 「防いだと思いきや不十分」「いかにも怪しい人物は無関係」「結局同じ結果になるのか」という三段構造は前回同様。ただし、人物設定などの説明シーンが無い分それぞれのボリュームが増しており、前回と違ったスリルがあった。ラストにもう一段持ってくるあたりも巧い。

 ただ、元恋人に「できることなら時間を戻して、今日この日を一からやりなおしたいよ」なんてセリフを言わせるセンスはなぁ。ラブストーリーで出て来ても何言ってんだコイツと笑ってしまいそうなセリフだが、このドラマで言うとなると脚本家の意図がプンプン臭ってきて仕方がない。
 タイムスリップを扱った作品において「時間を戻してやり直せたら」なんてセリフを登場人物に(中でも、タイムスリップの事実を知らない人物に)言わせるってのは、およそ考えられるうちで最悪の流れだと思うのだがどうだろう。

 ある程度はうまくごまかして協力を取り付けるが、つっこんだ部分までは説明できず(説明しても信用してもらえず)核心部分はトゥルー1人で立ち向かうしかないというさじ加減が良い感じ。延々と空回りするでもなく、無条件に信じてくれる仲間がいるでもない。このあたりは、今後モルグの先輩がパートナー役を務めるのだろうか。

# 3 弟

トゥルーの弟が殺人の容疑者として逮捕される事件が起きる。トゥルーは時間を巻き戻すために自分の働く死体安置所に運ばれた被害者の遺体に向かって「助けを求めて」とつぶやく。

 シリーズ序盤から随分飛ばしてんな。#1・2 とトゥルーの能力を目の当たりにしている弟に対しても、回りくどい言い方しかしないトゥルーにイラっ。説得がうまく行ってしまうとドラマにならないという事情は分かるが、終始抽象的な事を言わせるのではなく、直接的に説明するが聞く耳をもってもらえないという展開にすれば良いような。
 あんたが人を殺す、という事は伏せておく事にしても「このあいだ見せた能力で、今夜彼女と一緒にいると、あんたの身がヤバイって事を知ったのよ」とかなんとか言えば、少なくとも「オレと彼女を引き離そうとするな」なんていう誤解は受けないだろう。
 全てを知っている観客にしか分からない事情で何かに巻き込まれる場合は別にして、登場人物に「なんでこうしないんだよ」という感情を持ってしまうと、サスペンスもののスリルは激減する。言わば、転がってくる岩から必死に逃げようとしているくせに前にしか走らない主人公に「横に逃げろよ」と冷ややかにつっこみを入れてしまう感じだ。

 .....とドラマを見ながら感想を書いていたのだが(メモ的に気になったシーンを書き留めながら見る事が多い)、トゥルーは弟が銃を持っているのを見るまで、弟と殺人事件が結びついていなかったらしい。ええ〜〜。冒頭で姉に「あいつ(弟)が第一級殺人容疑で捕まった。ガールフレンドの前夫を殺したとかで、銃にあいつの指紋が残ってるみたい」って聞かされてんじゃん。
 なにこの脚本。トゥルーをどんだけバカに描いても構わないが、その場合あらかじめ言っといてくれないと。つか、冒頭で死体に向かって「私に助けを求めて」って言ったのは、弟が殺人を犯すのを止めるためじゃないのかよ。

 「弟は殺人を犯したのか」「嘘をついているのは男か女か」という2つの謎をはらんだまま進むストーリー、トゥルーが弟の銃に気づいてからの展開、「あたしの声なんか聞きたくないでしょうけど、聞いて欲しいの」という電話が実は...という種明かしなど、それ以外が良かっただけに尚更気になってしまった。

# 4 バチェラー・パーティ

バチェラー・パーティーとは「独身さよならパーティー」のこと。独身最後の夜に新郎の友人たちが飲んで騒いで盛り上がろうというもの。ちなみに、女性版はヘン・パーティと言うらしい。(ヘンってのは hen:雌鶏のこと)
 バチェラーパーティの参加者5人が死体となって運ばれて来た。トゥルーは弟に協力を求め5人の命を救おうとするが、パーティーの参加者は6人だった。状況を考えると生き残った1人が犯人と思われるが、死体の顔を見る前に巻き戻ってしまった為に、それが誰なのかが分からない。バーテンのふりをしてパーティに潜り込んだトゥルーは酒をつくりながら「もう一人」が誰なのかを観察する...

 先週の弟に続いて今週は姉が薬物検査にひっかかって会社をクビに。誕生日をすっかり忘れていた友人に、巻き戻ってからしれっと「親友よ、忘れるはずないでしょ」とお祝いを言うトゥルーはズルっこだ。第2話の感想でモルグの先輩がパートナーになるのかという予想を書いたが、どうやらその役割は弟が担当するらしい。

 脚本穴だらけだな。プロプラポノールというのは致死性の毒物らしいのだが、5人の死体を前に状況を説明する先輩のセリフは「毒物検査では4体からかなりの量のアルコールが検出された。(トゥルー:死ぬほどの量なの?)そうでもない。それに、この5体目が妙なんだ。アルコールは検出されてないが、プロプラポノールという薬物の反応が出ている」というもの。
 同じ場所で外傷もない人間が5人も死んでいたら、まず疑うのは(ガス・注射・飲食物への混入といろいろ方法はあるが)毒殺だろう。その状況で、死ぬほどでもないアルコールが検出された4人より、毒物であるプロプラポノールが検出された1人の方が妙ってのはどういう意味だ。
 しかも彼は、巻き戻ったトゥルーの「プロプラポノールとアルコールの関係は?」という問いに「アルコールを飲んでいると、体内にプロプラポノールがあっても検出されない」と即答し、さらに「プロプラポノール・プラス・アルコール・イコール原因不明の死体だよ」とまで答えているのだ。つまり、それだけの知識を有しているのに、「アルコール検出4体 + プロプラポノール検出1体」という死体を前にして「全員プロプラポノールで毒殺され、うち1人はアルコール未摂取なのでそれが検出されたのでは」という推論が頭をかすめもしていないというのだ。大丈夫か?

 そして、トゥルーが「アルコールを飲んでいると、体内にプロプラポノールがあっても検出されない」という事を知るより前の展開もおかしい。この時点でトゥルーは「アルコールが検出されなかった死体からのみプロプラポノールが検出されている」としか認識していないのだが「飲み物に何か入っていたとしか考えられないの。だからまず、ホテルの部屋に忍び込んでお酒を取り替える。それから犯人を捜すわ」なんて事を言っているのだ。
 アルコールを摂取していない人物からのみ毒物が検出されたというのに、「何か入っていたらしい飲み物」として「酒」を取り替えるって? おまえも大丈夫か?

 加えて言うなら、ここで仮に「毒物はそれぞれが飲んでいた酒の中」という鑑識結果があったとしても、パーティーが始まる前に酒を取り替えるなんていう方法で毒殺が防げるという発想は随分お粗末だ。(トゥルーはパーティー開始前に酒を交換する為にホテルの部屋に侵入し、そのまま立ち去るつもりだったが、作業中に参加者がやってきてしまい、誤摩化すためにバーテンと偽ってそのまま残った)
 それで防げるとしたら、パーティー開始時点で既に酒ビンに毒が仕込まれていたということで、そんな状況は「無差別殺人を目的として作られた毒入り酒ビンがたまたまその部屋に用意された」もしくは「犯人が参加者の集まる前に部屋に侵入して仕込んでおいた」のどちらかしか無い。
 かなり無理やりな前者は放っておくとして、後者の可能性を考えたとしても、結局は無差別殺人もしくは参加者皆殺しという状況がほとんどだろう。この時点でトゥルーは「毒殺されたのは5人のうち1人」と考えており(弟に自分の予想として1人毒殺説を話し、まだアルコールとの関係も聞いていない)その状況での毒殺があったのなら犯人はパーティーに参加して、その場で毒物を混入したと考えるのが普通だろう。

 おまけに最後は「毒はアルコールじゃなくて氷に混ざっていたんだ!」とトゥルーが驚くなんてオチ。いやだから、「毒は酒に入っていた」というのは「アルコール未検出の死体からのみプロプラポノールが見つかった」という事実を綺麗さっぱり忘れたキミの先走りであって、視聴者にとっては驚きの展開でもなんでもないから。
 つか、バーテンがいないパーティで1人の参加者を除いた5人が毒殺されたとしたら「あらかじめ○○に毒が仕込まれていた」というよりも「犯人がみんなの酒をつくり、仕上げに毒を入れた」と考えるのが普通だと思うのだが。

 そして今回もまた「過去に戻ってある出来事を取り消したいだけだ。やり直したい。そう思う事ない?」なんてセリフが。んだからよう。

# 5 月と星

医学部入試当日、試験を終えてモルグに出勤したトゥルーは医大生に助けを求められる。これまでは既に知っている情報を武器により良い今日に変えてきたが、今回はやり直す前より悪くなるという趣向。

 モルグの同僚デイビスがトゥルーの能力を知っていると告白するラスト以外は、なんだかどうでもいいエピソードだった。やり直す前より悪くなるというネタ自体は面白いと思うが、その描き方がトホホ。特に盛り上げる展開もなくただただ悪い結果が待っているだけで、「結局うまくいきましたとさ」というお決まりの展開への持って行き方もあくびもの。助けを求めてきた医大生を救う話も相変わらずで、どれもこれも恐ろしく印象に残らない。

 医大生は「月と星、というフレーズだけが印象に残る幼い頃のレイプ体験」を思い出すために臨死実験を行うのだが、その結果分かったのが「父親にレイプされたと思っていたが、その犯人は玄関に " 月と星のレリーフ " がある、向かいの家に住む男だった」ってのは何かの冗談か? 
 トゥルーが助けに入るために外からも見える玄関にレリーフが無くてはならなかったのかもしれないが、そんな目につく場所にあるレリーフを長い間スルーしてた親子ってどうよ。

 何度も書いているが、白々しいセリフがここそこに出まくりでゲンナリ。タイムスリップものでは通常のフィクション以上に脚本家の意図を隠す必要があると思うのだが、この作品の場合タイムスリップものでなくてもシラけるレベルかも。

# 6 秘密の関係

デイビスがトゥルーの能力を知っている事を告白するという強力なヒキから続くエピソード。彼がトゥルーの能力を知ったのは、彼自身が何らかの特殊な能力を持っているというわけではなく「君が来てから死者数が減っているのはただの偶然とは思えない。君の事を見てきたから分かるんだ。君にはできる、人にはできない事が」だとか。

 細かいところはとにかくすっ飛ばして、さっさとデイビスとチームを組む展開に持ってきた。気づくにせよ受け入れるにせよ伏線が足りないとか、たった5日死体が減っただけで同僚に死者を救う能力があると考える人間は頭のネジが十本単位でトんでるだろとか、いろいろつっこむ事はできるが、そこに重きを置く気がさらさら無いならこれもアリだろう。それとも、彼にも何らかの能力があるっていう展開も? まあ、本人が「ぼくはただの人間」と言っているので、これで裏があるっていう脚本は卑怯か。

 ネックレスきっかけで真相に気づき...というパターンはいつも通りだが、女の子同士ってのにはキレーに騙されてしまった。「自分の事を好きだと思っていた人物の想い人は実は違う人で」というパターンはうまく描かないとハナからモロバレするネタだが、うまくはまっていた。
 普通に考えて想像できる展開でも筋が通り、それが「意外な真相」に変わっても破綻することなく最後まで事が運ぶ。彼氏の暴走により事故にあうのかと思いきや誤解した兄の仕業だったと、コロリコロリとひっくり返してみせる脚本が楽しい。
 「うわーダマされた。ちょっと最初から伏線チェックしてみよ。うーん、違和感無くどちらの意味(真相 / 制作者のミスディレクション)でも通るように、かつ、それぞれの描写が単に観客を騙すためでないものになってる(ここ重要)な」という構成の話には弱く、自分が騙されればほーほーとただただ感心してしまう。そんな訳で今回の話はかなり良かった。(騙されなかった人にとってはフーンといった話かも)

 こんな具合に、事件の側はなかなか楽しかったのだが、真相を知ってチーム化したはずのトゥルー・デイビスコンビの方は退屈。(それにしても、トゥルーのフルネームが「トゥルー・デイビース」、同僚の名前が「デイビス」ってのはややこしい。何か因縁めいた意味でもあるのだろうか)そもそもこれまでも、一般論を装って調査に必要な情報をデイビスから引き出すシーンは多々あり、それでうまく事件をこなしてきているのだ。せっかく事情を知ったのなら劇的に変わらないと意味がない。これからいくらでもそれを描く機会があると言えなくもないが、こういうのって最初にドカンと見せるのも大切なような。
 「時には聞いてくれる人がいるって事が何よりの救いになる」というトゥルーのセリフにあるとおり、本人の気持ち的には、パートナーがいるという事実自体に大きな意味があるのだが、勝手な観客としてはやはり、せっかく2人になったチームが協力して事件を解決して欲しい。

# 7 元カレ

元カレからの突然の電話と、親友に惚れたとのたまう弟クンに悩まされるトゥルー。ストーカーじみたしつこさで復縁を迫る元カレは、トゥルーの引っ越しパーティーに押し掛けてくる。強引に呼び出した上、いきなりキスしてこようとした相手に対し、トゥルーは2度と近づかないでと強い嫌悪感を表す。パーティの後片付けもそこそこにベッドに潜り込んだトゥルーが、真夜中に人の気配を感じて起きるとそこには刺殺された元カレの死体が。混乱するなか警察に電話していると元カレの「声」を聞く.....

 前回不満と書いたデイビスとの協力関係がそれらしいものに。混乱した素人が一瞬見ただけの情報で犯人の背格好や性別を特定するチョー高性能なシミュレータの存在はご愛嬌。(傷口が「長身の男の脳天」等でもない限り、犯人の背格好や性別の特定には、少なくとも傷口の角度と深さといった情報が不可欠)

 今回のミスディレクションは少々卑怯かつ、真相を知ってもフーンといった程度のもの。トゥルーが犯人なんて事を思う視聴者はいないんだから、その路線での騙しはカットした方がすっきりしたし、別のネタを差し込むこともできたと思う。

# 8 清算

今回トゥルーに助けを求めたのは銃で撃たれた帰還兵。撃たれたのは早とちりが原因で、それ自体は簡単に防ぐ事ができたのだが、彼にはモルグに運び込まれた死因(銃撃)とは別の死(体内に残っていた銃弾を緊急に摘出する必要がある)が迫っていた。

 謎めいた人探しがメインのちょっとした変化球エピソード。といいつつ、謎解きではなく父と娘の人間関係に重点がおかれているのでハラハラするタイプの話ではなかった。

 帰還兵と彼女(とその父親)の関係を見つめて、ずっと会っていない父親との関係を見つめ直すっていう展開はなんともベタ。肝心の断絶具合がこれまで描かれてきた訳でもなく、あーはいはいといった感想しか浮かばなかった。無理やりトゥルー自身の親子関係を絡めない方がよかったのでは。

# 9 モルグ殺人事件

「ボクの銃が凶器に使われたから疑われちゃうよぅ」とヤケになる警官ってのはどうだろ。単なる警官で捜査の専門家じゃないって事なのかもしれないが、凶器以外にアリバイや目撃証言、なにより硝煙反応といった捜査の手がかりはいくらでもあるだろうに。
 動機にしたって、被害者の元恋人である彼が疑われるというなら、被害者のせいで彼に捨てられた(と思いこんでいる)真犯人の方がよっぽど怪しいわけで、さすがの警察もそこまでバカじゃないと思うのだが。

 デイビスなんかよりもトゥルーの能力を目の当たりにしているはずなのに、今回でやっとトゥルーの能力を信じるに至った弟クン。殺されていたかもしれない賭けポーカーの事も「姉さんがからかっていると思ってた」という彼はかなりヌクい頭をしているようだ。

 次回に向けて観客を引きつけておくべくまかれた種は「命を救われるのはこれで2度目だ」と思わせぶりな事を言うデイビスと、公衆電話から助けを求める姉。ただまあ、次回予告では「トゥルーが友情を誓ったかつての友人は」なんて具合にごく普通のエピソードを紹介していたり。

# 10 女友達

なんともコメントしづらい普通な話。日本にも当然高校の同窓会といったものはあるが、今回のエピソードを始めとしたアメリカのドラマを見ていると、日本のそれとは(いろんな意味で)随分と違った様子。

 巻き戻りによって、デカい事を言っていたクラスメートの本当の姿を知ってしまったりと小さなネタはいくつもあったが、おおっと感心するほどのものはなし。

 #8 の親子問題同様、アメリカでは比較的身近なテーマってことなのかもしれないが、ちと実感し辛い。

# 11 終わりなき日

繰り返す巻き戻しの日、誰かを助けようと起こした行動が別の被害者を生む。

 3度目の繰り返しでとりあえずの被害者を全員助け「あなたの予想は外れたわね、今日は誰かが死ぬ日じゃない」とネタふりをしておいて、心臓病の少女(最初の被害者である男の娘であり、男が強盗を働こうとした原因)が死んでしまう。ああベタなところに軟着陸かと思いきやさらにその少女が助けを求めるという展開に感心。

 トゥルーはなりふり構わぬ行動で少女を病院に連れて行くよう説得する。とりあえずの最善策をとったトゥルーと父親の前に現れたのは、ATM でお金を下ろした人間を狙った強盗犯だった。(ゴミをくずかごに捨て損ねるという小ネタで何度も登場していた人物 & これまた何度も警察無線で登場していた強盗事件という布石がきちんとあるあたりがニクい)
 父親は強盗に刺されてしまい病院に運ばれるも絶望的、そんな時となりのベッドで同じように緊急処置を受けていたのは彼の娘だった。

 トゥルーは自分が今日を繰り返した理由を、特殊な血液型のためにドナーが見つからなかった少女のために、父親の心臓を救うためだったと気づく。(父親は最初、心臓を撃ち抜かれて死んでいた)

 最初は単にループを繰り返すエピソードだと思い「ある人にとっては最善なはずが別の人にとっては最悪」というスライドのアイディア不足が気になってしまったが、今回のメインは全く別のところにあるので、そのあたりが単純なのはむしろ正しいだろう。
 ひとつの遺体という1点から始まった事件が次第に大きく広がり、それが別の1点に収束していく様子が綺麗に描かれており、非常に見応えのあるエピソードだった。

 ただ、ちょっとイジワルに考えてしまうと、上手くいくまでやり直せるなら緊張感が激減してしまうような。まあ、基本ルールは再やり直しナシなんだろうけど。

# 12 バレンタイン

ん〜、ごく普通のサスペンス。一応、正当防衛によって被害者を殺した人間がトゥルーの親友でないと気づく部分に「巻き戻り」の意味はあったが、そこに大したアイディアもなく、巻き戻る物語ならではの面白さがあるというより、単に真相が簡単に分かって退屈なお話といったところ。

 ルークと別れてしまったトゥルー。「殺人鬼と対決しようとする姉貴を独り置いてけない」と、んなかなかカッコ良いところがありつつも、基本はのほほんパヤパヤの弟くんに真実を話しているなら、物わかりが良さそうなナイスガイ・ルークにこそ全てを打ち明けて協力してもらった方が良いのでは。

 誰にも話さない・話せないと決めているなら、もどかしさや何とも言えない葛藤が演出できると思うが、職場の同僚に弟と、2人も知っている人間がいるので「とっとと話しちまえよ」という印象が強い。自分の正体を蘭に打ち明けない理由を「その方が話が盛り上がるから」以外に見いだせない名探偵コナンのようだ。

# 13 ミス・フェイス

警察の報告書に「トゥルーに助けられた」との証言が多い事を嗅ぎ付けた女新聞記者。彼女がそれを必要以上に気にしたのは、そうやって犯罪現場に現れて人命を救った人物がトゥルー以外にもいたからだった。
 実はデイビスはその人物と会っており、それは他でもないトゥルーの母親。#6 で早々にトゥルーの能力を信じた裏にはこんな理由が。理由っつーか、都合よすぎ。

 借金を帳消しにする条件として、金貸しの娘がミス・コンテストで優勝するように画策する弟くん。「派手に印象操作するな」というトゥルーのアドバイスで大人しくしていた彼なのに、被害者に接触する為にトゥルーが急遽出場したもんだから「身内が出場していたら平等に審査できない」とお払い箱に。カワイソ。
 結局娘は準グランプリに終わり金貸しのボディーガードにボコられそうになったのだが、トゥルーの行動によってグランプリ受賞者が辞退したため繰り上げ受賞。賭けトランプの時といい殺人容疑の時といい、ほんとギリギリの橋を渡ってんな。

 初回はうまく行っていた新しい彼女とのデートに大失敗するルーク。トゥルーがあまりにあっさりした態度だから調子が狂ったってこと? なんだかよく分からんなぁ。強がりで新しい恋人を見つけようと躍起になってたって感じでもないのに。結局は元サヤを感じさせるうやむやな展開に。

次の記事:TRU CALLING #14 〜 #26

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