野ブタ。をプロデュース
2005年12月28日 18:04 | コメント (0) | トラックバック (0)
基本情報
公式ページ 日本テレビ系列:土曜21時
白岩玄の同名小説 をドラマ化したもの。サエない女子高生を2人の男子生徒が人気者にプロデュースする。出演は亀梨和也・山下智久・堀北真希・戸田恵梨香・宇梶剛士・忌野清志郎・高橋克実・夏木マリほか。
概観
タイトルから想像した話は全く展開されず、その点では期待はずれだったが、土曜21時放送の青春ドラマとしてはそれなりだったと思う。最終回がワケわかんなくなければ。
友達から浮きたくない、嫌われるのが恐いといった、中高生にとっては大問題である悩みを軸に「青春ぽくね? これって青春ぽくね?」といったノリで固めた作品だった。
PRODUCE 1
「いじめられっこを人気者に」という番組コピーでベタな感動路線かと思って見たのだが、斜に構えた主人公と掴みどころの無い友人、途中プロデュースの説明として使われた「大して良くないものを人気があるように見せる」というフレーズに期待。
そして今回のプロモーションは、美男美女以外立ち読み禁止という本屋が舞台。棚1列分の本を購入してそのまま店に置いてもらい、店内で読む事によって、事情を知らない人間に立ち読みしているように見せるというもの。
「美男美女以外立ち読み禁止の書店」という設定そのものに無理やり感があるが、実物をメイクや髪型で綺麗に見せるのではなく、あくまでハッタリによって「あの子は綺麗らしい」と周囲に思わせるというのは面白い。(まあ、店主が忌野清志郎なので、今回のみ登場する訳ではないのだろう)
最終的には彼女自身の魅力をアピールする事になると思うのだが、限界までハッタリと嘘ギリギリのラインでのプロデュースを見せてくれれば面白くなりそうだ。裏を返せば、あっさり「彼女の本当の魅力をみんなに知ってもらおう」というお決まり路線になってしまえば(よほどうまく描かない限り)途端に退屈な物語になりそうだとも言える。
それにしても、度が過ぎるほど飄々とし、ボロ家に住む友人が実は大きな会社の社長の息子っていう設定はなんともベタだな。
PRODUCE 2
プロデュース第2弾はかわいい髪型と洋服によるイメージチェンジだが、やはり今回のキモは、なんだかんだあって着てくることになった落書きつきの制服を目立たなくさせるため、それ.....落書きされた制服.....を流行らせてしまおうという手法。
ん〜、いろんな意味で突っ込みどころ満載だけど、まあアリか。今回のエピソードで描かれたケースはあまりに極端であるとしても、流行っていう意味ではこういう現象はあり得なくもない。(ちょっと意味は違うが、かつてピチピチパンツのユニフォームが主だった NBA は、マイケル・ジョーダンらスター選手がルーズなものを着用してから、一気にそれが主流になった)
今回は後付けの魅力を付加する話であって、前回の感想に書いた「彼女の本当の魅力」をプロデュースしたわけではない。しかし、おはなし自体は早くも本人の魅力を見せる傾向になってきており、このままベタな感動路線になってしまわないかと若干心配。
「何を着ていても笑えるはず」という考えは確かに正しく、その気持ちを持つ信子はカッコイイと思うが、フィクションとしては、それを描くのはもう少し焦らした後にした方が良いような。
PRODUCE 3
プロデュースって縛りは完全に無視されたエピソード。つっこみ所は満載だが、このドラマに期待しているのは「プロデュース」という部分のみなので、それ以外をどうこういう意味はないだろう。ジャニーズタレント主演の土曜21時放送のドラマという位置づけを考えればこんなもの。
ところで、主人公の外面の良さの例として、飲みかけのジュースを友人に落とされても気にしないとこたえるが、弟に対してはお茶を飲んだだけでコブラツイストをかける様子が示されていたが、この程度の差はごく一般的な兄弟の有り様だと思う。
PRODUCE 4
同日にフジテレビで放送されたスウィング・ガールズを見ていてまんまと見逃す。たびたびお世話になっているこちら でストーリーをフォロー......したものの、相変わらずプロデュースもクソもない展開なのでコメントしようもなく。
PRODUCE 5
「野ブタ。をディレクション」じゃなくて「野ブタ。をプロデュース」なんだから、男と付き合って女を磨くなんて展開でなく、「彼女を好きな男がいる」事実そのものを使って信子に注目を集めるといった作戦を見せてほしかった。
途中、老人の吐瀉物を「汚い」と言ってしまった彼の行動に必要以上の意味を持たせようとする展開に疑問。病人を介抱する時にそれらを「汚いもの」として扱わない事は基本だが、一般的な感覚で吐瀉物が「汚いもの」である事もまた事実。彼は単に「ゲロ = 汚い」という(ある意味素直な)反応を見せただけなのに、それを信子に結びつけようとする意味がわからない。それとも、彼は吐瀉物が手につく事も構わず老人を介抱する信子を「汚い」と言ったってのか? そりゃいくらなんでも無理があるだろう。
さらに、そもそも老人が吐いた理由が「飲み過ぎ」て。分別あるオトナが酒を飲み過ぎた挙げ句、公共の場所である水族館で吐いたゲロなんて間違いなく汚いモノだ。重い病なんて設定をつける必要もないけど、せめて気分が悪くなって吐いたって事にしておけよ。
「好きじゃない相手とは付き合えない → 人気者になれなくていいのかよ」「とにかく男とくっつけようとしている → 信子の価値が下がらないうちに叩き売れって聞こえる」という論理の飛躍っぷりにはトホホ。
その上「(悪評の)ビラが出回ったって野ブタは野ブタじゃん。何も変わってないじゃんか」と来た。悪評を打ち消す為に好きでもない相手と付き合う事に反対するのは間違っていないが、「ビラなんて気にする必要は無い」という考えはプロデュースという行為の大部分を否定しているも同然だ。
そのうえ、修二の彼女の悪評は単なる噂にも関わらずしっかり浸透しているのに、ビラつきの信子の噂が大事にもならず下火になるってのは都合良過ぎ。
PRODUCE 6
野ブタマスコットの方は修二のバカっぷりに驚き、彰の父子問題はその描写の薄さに苦笑。どちらもテーマを語る上でのお膳立てがあまりにお粗末。来週からは色恋沙汰も混ざってくるようで感想を書くのもここらが潮時か。
ところで、信子は埋められた宝箱を掘り返して中身をチェックしたってこと?
PRODUCE 7
「手放してから大事さに気づく」というお決まりのパターン。コメントできない程にゆるゆる。
PRODUCE 8
今まで理想的な人気者として自身をプロデュースしてきた修二のメッキがはがれてしまうエピソード。プロデュースそのものの是非を問うような流れになってきているのは当然ともいえるが、そこに腹黒悪徳プロデューサーを登場させるってのはなんともヒネリがないな。
これからどんな展開になるにせよ(ベタなラインは上で書いたプロデュースそのものの是非を問う展開だが)悪徳プロデューサーの悪っぷりがキーになるだろう。凶悪な敵を倒してメデタシメデタシって展開にはなってほしくないのだが果たして。
PRODUCE 9
仰々しく仲間に入った悪徳プロデューサーの言ったことが至極真っ当で驚く。つか、プロデュースとか言いつつ、コンセプトや方向性といった基本の部分をきっちり決めていなかった修二たちの行動がアレなのだが。全方位対応アイドルなら新入りプロデューサーの言う通りだし、修二が突然語った内容が最初からのコンセプトというなら逆に的外れだし。
しかしなんとも、悪徳プロデューサーが出た時点で想像したまんまの展開。裏切りによる友情の破局は別にして、プロデュース行為自体の是非は、こういった悪者を仕立てそいつに罪を着せて描くのではなく、修二たち自身がプロデュースを行っていく上で描くべきだろう。
許してくれないなら飛び降りるってくだり。3人で同じ夢見るて.....しかも芝生に跡残ってるーーー。ここにきてギャグかますとはすげぇな。
最終話(PRODUCE 10)
どうコメントしたものか。「PRODUCE 1 の冒頭と同じく「人生はゲーム」と語る修二だが、その心境は以前と違うものだった」って事が言いたいんだろうけど、果たしてそれが劇中で描かれていたかというと疑問。
一番大事な人を護るお守りは一つだの、生徒からの没収品をいじくりながらつぶやいた先生の説教だのがあまりにダイレクトでむしろ笑いを誘う。フィクションってのはもちっと言いたいことをオブラートにくるんで見せるものだろ。作り物だと分かっている「おはなし」でこうもあからさまだと白けてしょうがない。
野ブタはひとりでも大丈夫、俺たちがどこででも生きていけるっていう締めもよく分からない。プロデュース云々がウヤムヤなのはおいといて、青春ドラマとしても最後に迷走してしまった感じ。「ひとりでも」だの「どこにいたって」だのは確かに耳ざわりがよく正しい事を言っているように聞こえるが、物語のラストにもってくるなら劇中でそれが語られた上での結論でないとスッキリしない。
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