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TV(全 22 件)
弁護士のくず
基本情報
公式ページ TBS 系列:木曜22時
原作は井浦秀夫による同名コミック。裁判で勝つためならどんな手も使うという「弁護士のくず」九頭元人は、正義に燃える新米弁護士の武田真実と強引にコンビを組まされてしまう...
出演は豊川悦司・伊藤英明・高島礼子・星野亜希・モト冬樹・北村総一朗ほか
概観
「裁判で勝つためならどんな手も使う」というキャッチフレーズに期待したが、中身はありがちな「ロクデナシっぽいキレ者」のパターン。なるほどと感心した法廷戦術はほとんどなく、一風変わった証拠集めの手段を「どんな手でも」と称したつもりなのか。
中盤からは全体のテンポが良くなり、お約束の小ネタと生き生き動くキャラクターが楽しかったが、「このシーンここまで」や「出番多すぎ」「来週も見てね」「2年振りの連ドラなんだから相手は女優が良かったな」「僕だってほっぺの赤くないトヨエツが良かったですよ」といったメタなギャグは微妙。この手のネタを喜ぶ人は比較的多いし、何より作る側としてはラクだと思うが、回を追うごとに連発していくのは勘弁してほしかった。
キャラクターのはっちゃけ具合だけで勝負してくれれば(しようとして、その部分にアイディアをかければ)、弁護自体が取るに足りないものでもコメディとしてアリだったのに。残念。
救命病棟24時
基本情報
公式ページ
フジテレビ系列:火曜21時 救急病院を舞台にした医療ドラマシリーズの第三弾。いくつかのエピソードが同時進行する形式で、ミもフタもなく言ってしまえば日本版 ER を狙ったもの。(ER はマイケル・クライトン原作の人気医療 TV ドラマシリーズ。まあ、この作品のハデな話作りはどちらかというと CHICAGO HOPE っぽい。)主演は江口洋介で、他に松嶋菜々子、香川照之、平田満など。深夜番組「水曜どうでしょう」で人気に火がついた大泉洋も「冗談好きで軽い感じ。独身だが、若い女性に好かれるフェロモンはなく、いつもヘラヘラしていると職場では軽く見られている看護師(公式ページより)」として出演している。
今回は東京に直下型の大地震が起きたという設定で1シリーズかけて災害時の救命医療の現場を描く。
シリーズ総観
大地震発生時の救命医療現場という難しいテーマとエンターテインメント性を高い次元で両立させた作品。描かれていた内容が良かっただけではなく、それ以上つっこむと娯楽性を阻害する境界の見極めや、自爆しそうなエピソードは避けるといった「描かない」判断も良く出来ていた。もう少しつっこんで欲しい部分がばっさりと切られている事が多かったが、それらもこういった配慮によるものだろう。
ただ、エンターテインメント性を高める上で大きなウェイトを閉めていた要素ではあるのだが、進藤医師の存在があまりにも大きく描かれすぎていたのが残念だった。最初から最後まで、技術・人柄・姿勢・情熱といった全てが完璧で、物語の展開に大きく関わってくるため「正しく完全な進藤医師」の行動が話を単純化しすぎていた。
ある選択肢が正しいとして、それは他の選択肢が間違っている事とイコールではない。また、何かの判断や感情は正・誤のどちらかだけに分類されるものではない。日常においてもこのような状況はいくらでもあるが、この作品のような緊急事態ではよりいっそうこの傾向が進む。
しかし、パーフェクトドクター進藤の存在と行動は、彼の進む道が唯一の正解であるかのような印象を与えてしまう。もちろん、その安心感や分かりやすさはエンターテインメント的側面からは非常にプラスに働いていたが、何も彼一人だけがその役割を担う必要は無かったと思う。
まあ、そんな物言いも全体の出来が良いゆえの高望みと言ってしまえばそれまでかもしれない。十一話という僅かな分量で実際に描かれたエピソードを見せるには、ヒーローを用意する以外には相当難しそうだ。
おすすめエピソードは第二・三・五話。
時効警察
基本情報
公式ページ
警察の閑職にいる主人公はある日ふと、時効事件の捜査を趣味にしようと思い立つ。主人公に密かに想いを寄せるヒロインを巻き込んで時効事件の真相に迫る。
出演はオダギリジョー、麻生久美子、光石研、ふせえり、江口のりこ、豊原功補ほか。
概観
アクの強いキャラクター、ナンセンスなストーリー、矢継ぎ早に挟み込まれる小ネタという、TRICK とほぼ同じフォーマットの作品。爆笑というタイプの笑いはあまり無いが、クスリやらニヤリやら結構させられてしまう。
主演のオダギリジョーは相変わらず演技が達者で、自然なトボケっぷりや、時折見せるつっこみがうまくネタとかみ合っていた。おすすめエピソードは第8話。
海猿
基本情報
公式ページ 」の作者でもある。原作コミックは未読、劇場版は鑑賞済み。
海上保安庁、福岡海上保安部に所属する新米潜水士・仙崎(伊藤英明)が主人公。いまだ人命救助の経験も無く地味な毎日を繰り返していた仙崎だが、横浜への異動、気難しい池澤(仲村トオル)とのバディ結成と、その平穏な日々は終わりを告げる。出演は伊藤英明・加藤あい・仲村トオル・佐藤隆太・佐藤仁美ほか。
シリーズ総観
「伊藤英明クンかっこいいわぁ〜」といったノリで見る人にとってはそれなりに面白いシリーズだったのかもしれないが、海上保安庁の潜水士を描いたスペシャリストモノとしては甚だ疑問の残る作り。まともに見られたのは EVOLUTION 1・4 くらい。
家族や恋人と思うように会えない、任務での不安、出動の度に心配で仕方が無い家族。それら「海上保安庁の潜水士」と聞いて、多くの人が想像し期待するテーマが描かれていたのはいいが、描写自体も素人が勝手に想像したレベルってのはいただけない。とにかくダイジェストを見せられているような気分で、苦悩・対立・恐怖・成長といった全ての描写が薄い。
というか、劇中で描かれた「会えない」ってのは、どんな仕事でもごく普通に起きるレベルのものに過ぎなかったような。
また、BGM の使いどころのセンスには閉口した。曲自体は悪くないのだがバラエティに乏しく、それを使うタイミングやセリフ・SE 等とのボリュームバランスも悪い。画はそれなりに頑張っているのに、音で台無しという場面が多々あった。
最終回では「ユイちゃんの命を人に任せるんですか。それが冷静な判断なんですか」というこれまたトホホなセリフを主人公に言わせてしまう始末。(どうトホホなのかは EVOLUTION 11 の感想に)
派手な事件で客の興味を引くのはアリだが、それだけに終始するのはどうかと思う。人の生死が絡んでいない現場にも、潜水士としての苦悩や技術・葛藤は山ほどある。
もっとも、ハナっから誰も「海上保安庁の潜水士を描いたスペシャリストモノとして」なんて目で見ていないと言ってしまえばそれまで。看護師を描いた「ナースのお仕事」があの内容で人気を博しているようなので、潜水士だの看護師だのといった設定はあくまで添え物なのかも。まあ、潜水士というギミックを使った泣かせドラマとしても二線級だと思うが。
相棒:シーズン8
基本情報
今やテレビ朝日が最優先でプッシュする人気シリーズとなった刑事ドラマ「相棒」の第8シーズン。
数々の事件を解決する切れ者ながら、上層部の痛い腹も平気で探る扱いにくさゆえ、窓際部署「警視庁特命係」に所属させられている杉下右京(水谷豊)。そんな杉下のマイペースぶりに、配属された部下もすぐに辞めてしまう状態が続いたなか、熱血直情型の亀山薫(寺脇康文)が特命係にやってきた。
自分とはあまりに違う亀山に面食らいながらも、そのまっすぐさに何かを見た杉下は亀山とコンビで事件解決にあたる事となった。しばらく相棒として捜査を続けた二人だったが、ある事件で殺された友人の意志を継ぎ、亀山が警察官を辞めて東南アジアに旅立つ事で、その関係も終わりを迎えた。(シーズン7中盤での出来事)
再び一人きりの特命係に戻りマイペースに仕事を続ける杉下だったが、そこに新たな部下、神戸尊(及川光博)が「杉下を見極めろ」との密命を受けやってくる。(シーズン7最終話)
シリーズ総観
前シーズンの中盤で亀山を退場させ、しばらく単独捜査する杉下を描いた後、同シーズン最終話で神戸を登場させるという構成も上手かったが、神戸が本格的に登場する本シーズンも、なかなか手堅い交代劇となっていた。(ただし、「観客に受け入れられるように」という商品側面での構成の話で、亀山退場そのものの、物語的としての意味・位置づけは上手いとは言いがたい)
もともとの、杉下の性格と物語の構成が、相方べったり・お互いがいなくては前に進まない類いの物ではない部分も大きいが、「杉下+神戸」から「杉下&神戸」に移って行く様が、ゆるやかなグラデーションで上手く描かれていた。
小気味よくニヤリとするシナリオがこの作品の持ち味だと思うが、本シリーズでもそれは健在。犯人の愛憎であったり、捜査する側の感情や人間関係がクローズアップされる作品が多いなか、事件を追って話が転がる様子を純粋に楽しむ事ができた。
シリーズが続くと、当然お約束の事柄が増えて来るが、必要以上にそれらを多用したり演出がエスカレートする事なく、悪いマンネリではなく、ならではの定番要素として加減良く使われていたあたりもうまい。
また、今後も続けるシリーズとして位置づけているからであろうか、いつもならもっと出てきそうな、警察内部ネタ、官房長絡みの話をぐっと減らして、杉下と神戸に焦点を当て続けたシリーズ構成も良かった。
おすすめエピソードは第6・8・17・18 話