PlayStation 2 : ANUBIS
2005年2月19日 14:51 | コメント (0) | トラックバック (0)
ANUBIS ZONE OF ENDERS Special Edition
いかにもな世界でいかにもなロボットを駆り、いかにもな武器でいかにもな敵を倒し、いかにもな展開といかにもなラストを楽しむフルポリゴン SF ロボットアクションゲーム。徹底してベタなのだが、ありがちをおざなりになぞるのではなく「ほれほれ、こういうのが好きなんだろう? ツボなんだろう? 気持ちいいんだろう? やってみたかったんだろう?」と、王道を真正面から描いた作りとなっている。
アーマーン計画と呼ばれるこれまたベタな世界破壊計画を防ぐことが目的のストーリーモードの他、1P vs COM / 1P vs 2P の対戦モード、クリア型のミッションをプレイするエキストラミッションモードがある。前作 Z.O.E. のダイジェストムービーも収録されている。
良い点
- わかりやすい操作体系
- 自機の操作は移動・攻撃といった基本動作と、それらをパワーアップさせるブースト機能の組み合わせで行う。特殊攻撃を「基本+それをパワーアップさせた動作」で行う操作体系は、実際の操作はもちろん概念としても分かりやすくスマート。それでいて状況によって異なるアクションが行えるため、単純すぎない作りが良い。
- とにかく王道
- 小説や映画においても、きっちりと描かれた王道は気持ちよいが、ゲームというインタラクティブなメディアの場合、さらに「今までに見たあのシーンの中にいる」という臨場感をもたらす。 自機から放射状に発射されたホーミングレーザーが弧を描いて敵を破壊する、というロボットアニメなどではさほど目新しくもないシーンでも、自分がそれを操作しているとなるとやはり気持ちよい。
- 爽快感溢れるアクション
- ブーストボタンを押すと一切のタイムラグなく加速するため、慣れないうちは混乱してしまうがコツをつかむと移動そのものが気持ちよい。さらに、特殊武器の見た目や効果も派手なものが多く、それらを使うだけでも楽しい。また、ライフ回復アイテムがフィールドの要所要所に落ちていたり、特殊武器用のエネルギーが貯まりやすかったりと、派手なプレイをサポートする体制も整っている。
序盤はもう少し自機を弱くしておいて、パワーアップした自機で前半歯が立たなかった敵をぶった切る、という展開になればなお爽快感があったと思うのだが、ボス以外は終始単なるザコと化していたのが残念だった。(ストーリー的に「前半では絶対倒せないが、パワーアップした後半は倒せる」というボスは存在する) - テーマソングが良い
- 透明感のある女性ボーカルと、アップテンポな曲調がマッチしたテーマソングが良い。これまたオーソドックスながらツボをおさえた構成で、曲全体を通しての抑揚感の高め方が巧い。実はこの作品に興味を持ったきっかけが、テーマソングが流れるデモムービーだったりする。
- ベクターキャノン
- 自機が使える大出力兵器の名前。これの何が「良い点」かというと、とにかく「いかにも」な武器。ええ、いかにもですよ。概要にも書いたようにベタと真正面からがっぷり四つに組んだ本作において、その頂点にあるのがこのベクターキャノンという武器。(言い過ぎ)
自機がおもむろに両手を天にかざすと、その両肩に巨大な砲身が転送される。(もしくは空中の原子を実体化して定着させているといった様子)次に、足下が発射の反動を受け止めるランディングギアおよびアイゼンで固定され、照準カーソルが映し出される。カウントダウンを示すインジケータが次第に上がっていく中、自機の戦闘 AI エイダ(もちろんこれもベタにアニメ声)が「エネルギー回路全段直結.....ランディングギア、アイゼン、ロック.....チャンバー内正常加圧中.....ライフリング回転......」とアナウンス。なんだか良くわからないがとりあえず凄そうなライフリングってやつがぐるぐるぐると自機の後ろで回転速度を速め、発射準備が整うとエイダが最後に一言.....撃てます
- 価格が安い
- タイトルに Special Edition とある通り、これはオリジナル発売後1年ほどして登場した特別版で、海外版のステージや VS モードなどを追加収録していながら価格は 3,300 円に抑えられている。さらに初回限定版はテーマソングや BGM を収録したミニサウンドトラック CD 同梱で 3,500 円だった。
悪い点
- 短い
- 初プレイ4時間弱でクリア。しかも、このうち1時間以上はおそらくムービーだのポリゴンデモを見ている時間だった。しかし実際に短いと感じた理由は、実プレイ時間とは多少違う部分にある。引き延ばし感無くもう 2・3 エピソード挟み込める内容だったと思うが、これはこれで無駄な要素を排除したシンプルな展開と捉える事も可能で、描かれている物語の長さもちょうど良かった。
ではなぜ短く感じたかというと、肝心の戦闘パートのメリハリが無かったからだ。主人公の乗る機体の戦闘力は序盤から既に敵を圧倒しており、手応えや緊張感といった「心地よい窮屈さ」に欠けるのである。そのため、ムービーで語られるストーリーにいくら緩急がついていても、バトル部分が平坦なため「はい戦闘。はい戦闘。また戦闘。あら戦闘。おや終わり」でエンディングを迎えてしまったのだ。
味方を守りつつ戦う・味方を探す・地雷地帯を抜けるといったミッションを用意して変化をつけようとした工夫は見られたが、それらの要素が別の面白味を作り出すまでには至っておらず、単にノルマを課されているという以上の印象は無かった。 - 処理落ちする
- 小さなザコキャラが大量に出現するシーンや、入り組んだ背景のステージではこれでもかと処理落ちが起こる。処理落ちが発生しそうなシーンやオブジェクトのポリゴン数を減らすなどして何とか回避できなかったのだろうか。そもそもザコキャラに関しては高速で動いている物体の細部など認識できるわけもなく、盛大に端折ってしまっても問題無いと思う。
グラフィックの美しさは間違いなくこの作品の魅力だが、アクションゲームにおけるスピードとグラフィッククオリティのトレードオフでは前者を優先させるべきだろう。 - ボスの攻撃がパターン化しすぎている
- 「手近にあるもので相手の突進を防御した後斬りつける」「鍔迫り合いをしてから相手を掴む」などのように、単純なゴリ押しでは勝てないボスが存在する事自体は良い。しかし、相手の攻撃パターンがあまりにも画一的で例外が無い上に、決められた戦法以外の一切を受け付けないため、戦闘というより反射神経テストのようになってしまっている。
敵に弱点を設定してバトルを盛り上げるなら「通常攻撃でも倒せるが、弱点を突くと楽に勝てる」または「弱点以外は全く攻撃が効かないが、それを見つける過程を楽しむ」のどちらかが大前提として必要である。さらに、その弱点をつく方法やタイミングに十分な幅がある事が重要だが、この作品には残念ながらその全てが欠けていた。(ちなみに、これら全てが奇跡的なバランスでゲーム全体にちりばめられているのが「ゼルダの伝説」シリーズ)
感想
WEB で見かけたデモムービーを見てスゲーと唸ってしまった作品。オレの中で TV ゲームは PlayStation 時代で止まっていたので、リアルタイムポリゴンで「絵に描いたような美麗な SF バトル」が繰り広げられる様子はちょっとした衝撃だった。デモムービーで「どうやるんだろう?」と思っていた操作も単純かつ足かせの少ないもので、最初から爽快感を出し惜しみしないところが良かった。(これは「ストーリーが短い」に書いた内容と矛盾している。爽快感を最初から感じさせつつプレイに抑揚を持たせるというのは非常に難しい事ではある)
ところで「事前に情報を仕入れない・説明書を読まない」状態でゲームをプレイするタチのため、レオの乗る機体がビッグバイパー(コナミのシューティングゲーム「グラディウス」の自機)だとプレイ途中に気付いて大笑い。BGM がなんとなく聞き覚えがあると思ったら、機体の後ろに青い光球が並んでくっついてやがる。さらによくよく聞いたら「オプション!」とか叫んでるし。
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