カバー画像

第二のエル

2009年1月31日 10:28 | コメント (0) | トラックバック (0)

月・動・静(コミックス第7・8巻)

 エル亡きあと警察庁に入庁したライトは、エルの死を隠す為にキラ対策チームのリーダーとしてエルを演じ、エルとキラとのいたちごっこの争いを演出していた。ライトが想像していたよりも早く人々がキラの考えに傾き始める中、エルとワタリが手がけていた児童施設で、真の次代エル候補とされていた二人の少年が動き出す。
 ひとりは、警察庁長官とライトの妹・夜神粧裕を誘拐し、 DEATH NOTE を奪おうと画策するメロ。もうひとりは、独自の調査によりエルの死、 DEATH NOTE の存在を突き止めたニア。動と静、危険な二人の少年との新たなる戦いが始まる.....

舞台は大きくなったが...

 新キャラクターは簡単に言ってしまえば動と静。ヨツバ編のラストを除いて静の物語だったこの作品に動の展開も取り入れるという事だろう。ヒネくれ君とマイペース君というベタな配置には若干苦笑してしまうが、第4巻の感想にも書いた単純化という意味では分かりやすくて良い。
 また、真の2代目エルっぽいニアが、初代エルとキャラクターかぶりまくりなのは、最終的にエル対キラの図式を再現するためだろう。そう考えると、初代エルの死はまさに布石のためだったと言うことができ、いやはや作者もライト並に恐ろしい。

 誘拐にハイジャック、怪しげな施設でのノートの交換と派手なエピソードが続き、舞台も日本を飛び出してスケールもアップしているのだが、それが面白いかというと微妙。というのも、それぞれのギミックや推理は、これまでのように積み重ねて大きな形になるわけではなく、単に順番に並べて飾られているに過ぎないからだ。

偶然に助けられたニア

 そして、相変わらず用意周到なライトの作戦が、予想不可能な不確定要素である新たな死神の存在によって失敗に終わるという展開には唖然。伏線そのものは「リュークは大王を騙して DEATH NOTE を2冊持っている」と最初から用意されているので、死神が出てくることには問題ないのだが、その出現のタイミングに何の意思や作戦も関係しておらず、単なる偶然というのはいただけない。

 言ってしまえば、このタイミングで別の死神が人間界に来てメロに接触するという偶然が無ければ、この時点でメロはあっさりジ・エンドだったのだ。メロが死神を呼ばないにしても、その出現時期に何らかの伏線が張られているなら「おっ、あの伏線がこんなところで」とむしろ感心できる展開だが、「そろそろ書き込まないとオレも死んじゃうんだよね」という時期がたまたま今だったというのはあんまりだ。
 もっとも、ニアとの対比や言動から、かませ犬臭が漂うメロなのでそんな彼にふさわしい展開と言えなくもない。

本末転倒

 全体的に、この作品のキモとも言える推理や予測といったものがごく短期的なものになってしまっていて「なるほど、こうなるのか〜」という面白味が少なくなってしまっているように感じる。動のエピソードという目新しい展開は良いと思うが、その分明らかに静がパワーダウンしてしまっている。

前の記事:エルの最期

次の記事:強襲

コメント(0)

コメントを投稿する

コメントの投稿には JavaScript が必要です。
ブラウザの JavaScript 機能を有効にしてください。
投稿ボタンを押してもエラーになりますのでご注意ください。

トラックバック(0)

トラックバックURL : http://www.studio-ponytail.com/mt/mt-tb.cgi/140