カバー画像

FBI 捜査官

2009年1月31日 10:08 | コメント (0) | トラックバック (0)

ライト包囲網(コミックス第2巻)

 自分を調査していた人物の正体が FBI 捜査官のレイ=ペンパーだと知ったライトは、様々な準備を行った上で、レイ=ペンパーを罠にかけるべく山手線に誘いこむ。数日後、警察を訪れたライトは、重大な事実をエルに告げようとしていたレイ=ペンパーの恋人に出会う。彼女をそのままにしておくのは危険だと考えたライトは、その場で作戦を考えながら罠に陥れようとする。
 一方、キラの捜査にあたる日本の刑事たちは、自分たちに無断で FBI 捜査官を送り込んでいたエルの行動に不信感を覚え、エルの方針に賛同する一部の者を除いて捜査を離れてしまった。
 しかし、エルにとってはこれすらも予測していた事態であり、残った刑事たちこそ信頼できる相手と考え、共同捜査を行うために謎に包まれてきたその姿を刑事たちの前に現した.....

2種類のスリル

 DEATH NOTE のルールを利用した様々な方法で捜査を混乱を誘いつつ、レイ=ペンパーを罠にかけ自らの思うままに操るライトの頭脳が光る。あらかじめ名前を調べておいた人物を手にかけることによって、あたかもその場にいる誰でも殺す事ができると思わせるブラフをはじめとして、相手の逃げ場を巧妙に奪い、こちらの安全を確保する緻密な計算がなんとも憎たらしい。

 あらかじめ完成図が分かっているジグソーパズルのピースをはめていくような、静かな緊張感のあるこのエピソードに対し、レイ=ペンパーの恋人との対決は、限られた時間で与えられたブロックを急いで組み立てていくようなスリルがあった。

 突然出会った彼女を観察し、その場の状況と与えられた情報のみから現状を把握し、先読みを行い、作戦を立てなおかつすぐさま実行に移す。モノローグで語られるライト本人の心の声だけでなく、ある時は読者の気持ちを代弁し、ある時はライトの行動を分かりやすく解説するリュークの態度が物語の臨場感を増していた。
 刻一刻と変化する状況にあわせて作戦を次々と修正し、綻びを見せぬまま目的を達成して高らかに自らの正体を宣言する様子は、ヒーローの登場を思わせるケレン味があった。もちろん悪のヒーローだが。

ついに登場したエル

 2巻のもうひとつの見所は、ついにその姿を現したエルの推理と、包囲網が狭まった事を知ったライトの静かな対決だ。クリクリ目玉で、いかにも変わり者といった立ち居振る舞いを見せるエルの素顔はある意味定番だが、マンガ的常識から美形の青年を想像して肩すかしをくらった人も多いのではないだろうか。自分が得た情報の中からのみ推理を行い、着実に積み木を組み上げて結論に達する様子はフェアであり気持ちがよい。

 自分の部屋に何者かが侵入し、盗聴器と隠しカメラを設置したことを瞬時に察知するライト。その観察力と推理力だけでなく、あらかじめこのような事態を想定して二重三重の細工を仕掛けておく用意周到さがライトの頭脳の優秀さを表していた。エルに送っていた「死神はリンゴしか食べない」というメッセージさえも、いざという時にリュークを動かすためではないかと思ってしまう。

 DEATH NOTE という強烈なアイテムの紹介がメインだった1巻に比べ、この2巻ではライトのキレ者ぶりが際立っていた。レイ=ペンパーとその恋人を手玉に取り、僅かな糸口から着実に真相に近づいてくるエルよりも、まだ数歩先を行っているライト。どちらが勝ってもおかしくない、納得できると思わせる頭脳戦が相応のテンションをもって描かれている。

前の記事:DEATH NOTE

次の記事:容疑者

コメント(0)

コメントを投稿する

コメントの投稿には JavaScript が必要です。
ブラウザの JavaScript 機能を有効にしてください。
投稿ボタンを押してもエラーになりますのでご注意ください。

トラックバック(0)

トラックバックURL : http://www.studio-ponytail.com/mt/mt-tb.cgi/134