電化製品進化論
パソコンやテレビ、ビデオを初めとする電化製品は「黎明期・成長期・安定成長期・円熟期・収束期」という進化をとげていく。今回は電化製品進化論と題しそのあたりを書いてみよう。
黎明期
黎明期とは、テレビや洗濯機といった、あるカテゴリーの製品がこの世に出たばかりの時期の事である。今まで無かった物が、かつてない体験をさせてくれるという、ロマン溢れる時期と言うこともできる。黎明期の製品の特徴を簡単に言うと「性能や使い勝手が粗削りで異様に大きく値段がい」となる。次々と新しい機能や概念が追加され、ひどい時には加えられた機能の方が主流になり、元祖があっさり足をきられるなんていう事も起きる。購入アドバイスは「新しいものは真っ先に手に入れないと気が済まない・オレが発展への踏み台になってやる、という気概を持っているなら購入する」成長期
簡単に言うと爆発的に性能が上がる時期。つい数ヶ月か前に出た製品よりも遥かに高い性能をもつ物が、さらに安い値段で発売されるのがこの頃である。その性能差とは一目瞭然といったレベルで、電器店で新製品を見るのが楽しみな時期だ。成長期の製品の特徴は「性能こそ力なりと言わんばかりに、とにかく高性能を謳ったもの」で、カタログには「最大○kg 洗えます」「○万画素」「最大○時間使用できます」といったフレーズが並ぶ。 購入アドバイスは「その分野にこだわりがあるなら、カタログをスミからスミまで読み尽くして、納得いく製品があるなら買う。迷いがある場合は見送る」もしくは、「その分野にこだわりが無いなら待つ」だ。こだわりは無いが買いたいという人は、必ず詳しい人に尋ねてから購入しよう。こだわりがあって、納得もできないけどとにかく欲しいというせっかちな人へのアドバイスは「新機種購入の為に今からお金を貯めておこう」安定成長期
読んで字の如く、成長が安定してくる時期である。成長が安定、とは「性能の進化はあるものの、こだわりが無い人にとってはさほど気にならない高い次元での変化」という事である。成長期とは違い、ほんの数ヶ月で時代遅れになり、新製品に目移りするという訳ではない。この時期の製品は、普及が進んだことにより操作や機能に一定のルールが生まれ、使い勝手や操作性が洗練されてくるという特徴がある。各メーカーとも基本的な性能が横並びになるので、ちょっとひねったイロモノアイテムやおかしな製品が発売される事もあり、一風変わったものが好きな人はそれを狙ってみるのも面白いだろう。 購入アドバイスは「その分野にこだわりがあるなら、カタログを読み尽くした上で納得いくものを買う」と「コダワリが無いならどれでも好きなのを買おう」だ。円熟期
性能の進化がかなりの高次元まで進み、一般の人にはカタログのスペック数値でしかその違いが分からなくなる。もちろんその性能差は存在しているので分かる人には明確な差が感じられるのだが、そんな人はほんの一握りとなる。この時期になると各社とも性能で差別化を図ることが難しくなり、付加価値や独自機能に重点を置くようになる。この時期の製品の特徴は「各社とも売りとなる機能を持ち、それに磨きをかけた製品が登場する」と言えるが、この特徴自体は安定成長器にも見られる。広く受け入れられた「売り」を持つメーカーはその改良に注力し、他メーカーは同じ機能を別の名前で追加するパクリ作戦を繰り出す事になる。購入アドバイスは単純明快に「どれでも好きなのを買おう」だ。" この機能が欲しい " などの具体的な希望が無い限りは、ごく一部の「違いが分かる人」を除けばどれを買ってもさほど不満を感じる事は無いだろう。収束期
進化と普及が臨界に達し、人々がその製品に求める事が明確になるため、機能がシンプルになっていく時期である。普及とはすなわち様々な人が使うという事であり、それが広範囲に及ぶほど「多くの人が望む機能を、どんな人でも使うことができる簡単さで実現する製品」が求められるようになっていく。各社ともメインである中価格帯の商品はシンプル路線に切り替わり、安定成長期〜円熟期にみられた多機能製品が影を潜めるようになる。また、この収束という現象は進化の最後に収束期として現れるだけでなく、安定成長期や円熟期に「収束状態」として見られる事もある。そして面白い事にメインが収束する一方何らかの機能に特化した細分化が起きるのもこの時期である。細分化された製品は時として強烈な吸引力を生み、それを受け入れる人が一定の数に達するとそのまま枝分かれした進化の道を歩んでいく事となる。購入アドバイスは「どれであろうと好きな物を買おう、安くあげたいなら型落ち品でも問題なし」
後悔しない買い物をするには
電化製品の購入で後悔しないためには、以上の各時期における特徴を理解した上で、自分が欲しい性能が現在どこまで進化しているのか、自分のこだわりと欲しい欲求がどれほどのものかを見極める事が重要である。実際例
「○○期とか言われてもよくわからん」という人の為に、いくつか例を挙げてみよう。4:3 のテレビは間違いなく収束期であると言える。性能の進化は究極に達しており、国内メーカーを選んでさえいれば、ごく一握りの人を除いて最も安い製品でも不満を感じる事は無いだろう。一方液晶テレビは安定成長期初め〜中頃で、ある程度吟味して購入する必要がある。今話題のプラズマテレビは成長期まっただ中で、ある種の割り切りか財布の余裕のどちらかが無いと買うのはなかなか難しいだろう。パソコンは収束期に片足をつっこんだ円熟期といったところだ。その上インターネットという収束状態が起きている。確かにスペック上では日々高性能化しており、それらの数字の意味がわかる人なら半年前の製品と比べて「これだけ凄くなった」と言う事はできるが、もはや普通に使う分にはどれを買っても問題ないレベルに達している。