2010年5月
2010年5月29日 05:22 | コメント (0) | トラックバック (0)
2010年5月28日
iPad が日本でも発売とかで、ネットの PC 関連サイトはもちろん、TV のニュースでも異様に取りあげられていた。
関心を惹く為に仕方ないとは言え、音が出るピアノのアプリケーションをはじめ、キャッチーな部分の報道が多く、ネットでもそういった派手な部分を見て「ノートパソコンでいい」なんて意見を結構見かけるが、そういう人は、逆に iPad を買いかぶりすぎなんじゃないかな、と思う。
「iPad は少し用途が広がった iPod」.....結局はそういう事だ。ノートパソコン的な使い方を期待する人は、(その人にとっての)本物であるノートパソコンを買った方が幸せになれるし、今まで体験した事のない何かを、生活にプラスしてくれる物ではない。
ただ、iPod や HDD レコーダーのように、体験自体(音楽を聴く、ビデオを見る)はこれまで知っている物に過ぎないが、使い勝手によって違う何かを見せてくれる.....大げさに言えば、その人の音楽や動画との付き合い方を変えてくれる.....可能性もありそうな代物と言える。
本・写真・動画を取り込むのは、CD のリッピングよりも面倒なため、動画どころか本の配信も微妙な日本では、ScanSnap を積極的に活用するような人が、まずはこんな具合に楽しむアイテムになるだろう。
iPad が主役の座に居座るかどうかは不明だが、そう遠く無い将来、本や写真、動画の楽しみ方は、こういった方向に向かうだろう。
CD のリッピングが可能になり、iPod などの大容量携帯プレーヤーが普及した事で、多くの人は「大切なのはレコードや CD といった物体ではなく、その中身」だと気づいた。そして、自分の音楽ライブラリがパソコンや手の中に収まると、これまでとは違った音楽の楽しみ方があることを発見した。
電子書籍に関しては、紙の本というものが、手触りや雰囲気といった嗜好的意味合い以上に、記憶装置=再生装置という、音楽や動画とは一線を画す特性を持っているので移行は一番緩やかになるとは思うが、音楽に引き続き、本、写真、動画が、中身だけを楽しむ方向性に向かうのは間違い無いと思う。
さらに、パソコンやこういったガジェットで写真や読書を楽しむ行為は、「ハイテク好きの為のもの」と思われがちだが、「ひとつのデータで、様々な状況の人に対応できるユニバーサルなもの」という側面も大きい。本が最も分かりやすいが、適切に整えられたテキストデータひとつから「文字の拡大・色調反転・読み上げ」といった事が簡単に可能で、それぞれで別物が必要になる物理的な本には無い利点がある。
iPad は「未だかつて無い何か」を提案しているアイテムではない。それどころか、ずっと前からいろいろな会社が夢見ては破れて来た代物で、コンセプトに至ってはフィクションの世界も範疇に入れれば、むしろ見飽きた内容と言える。
じゃあ何が違うのかと言えば、Apple による UI ももちろんあるが(ここで言う UI とは単なる見た目の派手さではなく、直感的に触れて動かす事による操作)様々な技術が、ようやくコンセプトの実現に追いついたという事だ。
昔から多くの人が「こんなの良くない?」と思っていたものが、やっと実現できそうな世の中になった。その時、手を挙げたのが Apple だった。iPod の時と同じように。
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